日常生活の99%はキャッシュレス決済を使っている私です。新札は2024年7月3日発行が予定されており、徐々に市場に流通していきます。前回の新札（新紙幣）は2004年だったので約20年ぶりの新札発行ということになります。
キャッシュレス決済全盛期のこの時代に「いま何故新札？」と疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。まずは今回の新札発行の基本情報を押さえて、何故いま新札発行なのかを見ていきましょう。
新札発行の基本情報
新札の種類と肖像
| 紙幣 | 肖像 | 裏面 | 参考 |
|---|---|---|---|
| 一万円札 | 渋沢栄一 | 東京駅丸の内駅舎 |  |
| 五千円札 | 津田梅子 | 藤の花 |  |
| 千円札 | 北里柴三郎 | 富士山と桜 |  |
今なぜ新札発行なのか
国がキャッシュレスを促進する一方で、新札を発行する理由は複数あります。それぞれの側面から詳しく見ていきましょう。
偽造防止：高度な偽造防止技術
現金が存在する限り、偽造のリスクは常に存在します。新札発行の主な理由の一つは、偽造防止技術の強化です。新しい紙幣にはホログラム、特殊インク、マイクロ印刷などの最新技術が導入され、偽造が非常に困難になります。これにより、現金取引の安全性が向上し、信頼性が確保されます。
なお、新しい紙幣には以下のような偽造防止のための最新技術が導入されています。
- ホログラム: 紙幣の肖像部分に3Dホログラムが採用され、見る角度によって異なるデザインが見える仕組み。
- マイクロ印刷: 肉眼では見えない微細な文字や模様を印刷する技術。
- 特殊インク: 角度を変えると色が変わるインクを使用。
- 透かし: 紙幣を透かして見ると浮かび上がるデザイン。
- 偽造検知器: 自動販売機やATMで使用される偽造検知機能に対応した新しいセキュリティ要素。
経済活動の安定化：安全で信頼性のある通貨
新札発行は経済活動の安定化にも寄与します。現金取引が安全で信頼性の高いものであることは、経済全体の健全性にとって重要です。特に高額取引や、現金を多用する業界においては、新札の導入が取引の円滑化と安全性向上に寄与します。
緊急時の対応力：災害時やシステム障害時の対応
自然災害やシステム障害など、キャッシュレス決済が利用できない場合に備えて、現金は重要な役割を果たします。新札の発行により、現金の信頼性と安全性が高まり、非常時の対応力が強化されます。
デジタルデバイドの解消：高齢者やデジタルに不慣れな人々への配慮
キャッシュレス決済が進む中でも、現金を主に利用する層、特に高齢者やデジタルに不慣れな人々が多く存在します。新札の発行は、こうした人々が引き続き安全に現金を利用できるようにするための措置です。
教育的・文化的価値：新しいデザインによる教育効果
新札には新しいデザインが採用され、日本の歴史や文化が反映されています。これにより、お札が単なる通貨としてだけでなく、教育的・文化的な価値を持つものとなります。新しい紙幣を通じて、日本の偉人や歴史に対する理解が深まります。
国際的な信頼性の向上：外国為替市場での信頼性
新札発行は、日本円の信頼性を国際的に高める役割も果たします。高度な偽造防止技術を備えた新札は、外国との取引においても高い信頼性を持ち、日本の経済的地位を強化します。
まとめ
国がキャッシュレスを促進する一方で新札を発行する理由は、偽造防止や経済活動の安定化、緊急時の対応力の強化、高齢者やデジタルに不慣れな人々への配慮、教育的・文化的価値の提供、そして国際的な信頼性の向上といった多方面にわたります。現金とキャッシュレスのバランスを保ちながら、経済全体の安定と安全を確保することが、新札発行の重要な目的です。
新しい紙幣の発行を機に、自分のお財布を見直してみるのも良いかもしれません。私は諭吉ピン札を何枚か記念にタンス預金しようかなと思います。
