「ググる」が当たり前になったのは、もう十数年以上も前のこと。しかし今、その当たり前が静かに変わりつつあります。
もしかすると、「AIに聞く」が新しい検索のスタンダードになる時代が、すぐそこまで来ているかもしれません。
今回は、検索の変遷とこれからの情報収集のあり方、そしてブログの未来について考えてみます。
Yahoo!検索が王者だった時代
インターネット黎明期、多くの人が使っていたのは「Yahoo! JAPAN」の検索。
カテゴリ分けされたディレクトリ型検索が主流で、目的の情報にたどり着くのは、今思えば少し手間がかかるものでした。
しかしそれでも「ネットで調べる」という行為が徐々に生活に浸透し始めたのが、この時期です。
✅ Yahoo!検索が王者だった時代からGoogle一強へ
時期 | 出来事 | 解説 |
---|---|---|
1996年〜2000年代前半 | 日本の検索エンジン=Yahoo!という時代 | Yahoo! JAPANがスタート(1996年)。当初はカテゴリ型ディレクトリ検索でスタートし、やがてキーワード検索を導入。日本最大のポータルサイトとして人気を集め、検索でも圧倒的シェアを誇った。 |
2001年〜2009年 | Googleの技術力が徐々に認知され始める | 一部のユーザーは「ググる」を使い始めていたが、一般層はまだYahoo!メイン。Yahoo!検索のエンジンは2004年まではGoogle、2004〜2010年は自社開発のYST(Yahoo! Search Technology)を使用。 |
2010年 | 転機:Yahoo! JAPANが検索エンジンをGoogleへ変更 | このタイミングでYahoo!検索は実質的にGoogleの中身を使った検索エンジンとなり、検索品質がGoogle=Yahoo!に統一された。これ以降、ユーザーは徐々に「Google本家を使えばいいじゃん」となり、Google優位が定着。 |
2010年以降 | 検索エンジン=Googleの時代へ | スマホ時代の普及とともにGoogleが検索・地図・メールでの統合的な利便性を高め、一強状態へ。Yahoo!はポータルサイト的な使われ方へシフト。 |
かつて、日本で「検索」といえばYahoo!が当たり前でした。1996年のYahoo! JAPAN誕生から2000年代後半までは、検索といえばYahoo!のこと。実際に多くの人がYahoo!のトップページから情報を探していました。
しかし2010年、Yahoo! JAPANが検索エンジンをGoogleと提携したことで潮目が変わり、「ググる」が主流になったのです。
2000年代後半、「ググる」が定着
Googleが台頭してきたのは2000年代中盤。
Yahoo!よりも精度の高い検索結果や、スピード感あるユーザー体験で、あっという間に検索エンジンの主役になりました。
「ググる(Googleで検索する)」という動詞が定着し、「とりあえずググる」は情報収集の基本となりました。
この時代、個人ブログやまとめサイトも隆盛を極め、検索エンジン経由で多くの人がブログにたどり着いていました。
そして今、「AIに聞く」時代へ
ChatGPTやGemini、Copilotなど、生成AIの登場により、情報収集の方法が変わりつつあります。
キーワードを打ち込んで「調べる」から、会話形式で「聞く」へ。
AIに「○○について教えて」「おすすめをまとめて」と問いかければ、複数サイトの情報をもとに、要点を整理して返してくれる。効率がよく、ストレスも少ない。
この体験を一度でも味わった人は、従来の検索に物足りなさを感じ始めているはずです。
じゃあ、ブログはもうオワコン?
「AIに聞けば全部わかる時代になったら、もうブログなんて意味ないのでは?」
そう感じる人も増えているかもしれません。
確かに、単なる情報の羅列や、他のサイトの焼き直しのようなブログ記事は淘汰されていくでしょう。
しかし一方で、体験談・専門性・熱量のあるブログは、まだまだ価値を持ち続けます。
なぜなら、AIは情報をまとめるのは得意でも、「人のリアルな感想」や「失敗談・こだわり」までは再現しにくいからです。
それこそが、ブログが今後も生き残るための“人間らしさ”です。
AI時代のブログに求められるもの
これからのブログは、ただ「アクセスを集める」ためだけの記事ではなく、
- 自分だけの視点
- 試してみたリアルな体験
- 他では読めない価値のある情報
が求められる時代になっていくでしょう。
つまり、読まれるブログから、“信頼されるブログ”へ。
AIで調べたあとに、「それ、本当にそうなの?」と確かめにくる先が、ブログになるかもしれません。
まとめ:AI時代でもブログは進化し続ける
検索の主役が「Google」から「AI」へと移行しつつある今、ブログの存在意義は確かに変わってきています。
でもそれは、「終わり」ではなく「進化」のタイミング。
人にしか書けないもの、人だからこそ共感を呼ぶ記事、そういうものを届けられるブログは、これからも必要とされるはずです。
「ググる」から「聞く」へ。
情報の届け方は変わっても、伝えるという本質は変わらない。
あなたはこの変化をどう感じていますか?
では、また。
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